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2016年12月13日

12月4日 京都さんぽ 暮秋を彩る下鴨神社の名残の紅葉レポート

らくたび講師の森明子がご案内する「京都さんぽ・旧三井家下鴨別邸・暮秋を彩る下鴨神社の名残の紅葉」に添乗いたしました。紅葉のシーズンは終わりましたが、綺麗な紅葉風景と京都の歴史を探訪しましたのでレポートを報告します。

地下鉄の今出川駅から出発し、烏丸通りにある同志社大学の前を通って相国寺へ。あちらこちらで紅葉の見頃過ぎの声を聞くなか、相国寺の境内にはまだ紅い紅葉の景色が残っていました。

相国寺境内

12月4日 京都さんぽ 暮秋を彩る下鴨神社の名残の紅葉レポート


紅く染まる紅葉

12月4日 京都さんぽ 暮秋を彩る下鴨神社の名残の紅葉レポート



相国寺は、臨済宗相国寺派の大本山で1382年室町時代に三代将軍足利義満の発願で建立されました。京都の五山制度(中国の五山制度に習い、時の最上位の寺格を有する五ケ山)の第二位に位置します。名前の由来は中国・明の時代、五山制度の始まりの寺・大相国寺から寺号をもらったのと、中国では左大臣の位を“相国”と呼び、当初義満が左大臣の位にあったので、“相国(義満)の寺”ではどうかと言うことになり「相国寺」と名付けられたそうです。境内には本山相国寺をはじめ13の塔頭寺院があります。山外塔頭には鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)、真如寺があり、相国寺僧侶が運営にあたっています。

五山第二位の相国寺

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相国寺の境内に「宗旦稲荷社」があります。この祠には、狐が祀られており相国寺に住む狐が茶人三千家の祖にあたる宗旦に姿を変えて、寺の塔頭で茶室を開きお点前を見事に披露したという逸話あります。ほかにも数々の伝説を残しいつしか“宗旦狐”と呼ばれるようになり死後は宗旦狐を偲んで宗旦稲荷社が建てられたと言うことです。今も参拝に訪れる人が絶えないそうです。京都さんぽの一行もユーモラスあふれる宗旦狐に親しみを持ってお参りされていました。相国寺を後に一行は幸神社へ。

宗旦稲荷

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幸神社と書いて“さいのかみやしろ”と読むこの神社は桓武天皇により、平安京創建(794年)時に都の東北・鬼門除けの守護神として造営されました。造営時には出雲氏の道祖神社でもあったことから「出雲路道祖神社」と言われていましたが、江戸時代に現在の地に移った際に「幸神社(さいのかみやしろ)」と改められました。本殿の東側の壁には、鬼門除けの守護神である猿の神様が、御所内裏の東北隅の猿ヶ辻に祀られている猿の神様と一緒に都を護っています。本殿の木の柵から見える三番叟(御幣を担ぐ猿の神様)は、腰を据え、目を大きく見開いて疫神、悪鬼、邪気などの侵入を一生懸命に防いでいるように見えました。見えぬところでも京都はこうして護られてきたのですね。次の訪問場所は今回のメイン旧三井家下鴨別邸です。

幸神社(さいのかみやしろ)

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三番叟/さんばそう(御幣を担ぐ猿の神様)

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旧三井家下鴨別邸は、下鴨神社の南に位置し、三井家11家の共有の別邸として三井家(総領家)第10代の三井八郎右衛門高棟によって建築されました。この地には明治42年(1909年)に三井家の祖霊社である“顕名霊社/あきなれいしゃ”が遷座されその参拝者の休憩所とするため大正14年(1951年)以降、京都家庭裁判所の所長宿舎として平成19年まで使用されました。高い歴史的価値を有していることから平成23年に重要文化財に指定されました。建物、お庭はさることながら、今回は望楼に上がれて眺望できるということから特別公開の中でも超人気の旧三井家下鴨別邸でした。今は望楼から眺める景色には現代建築が美観を邪魔していますが、当初はここから眺める景色はもっとすばらしかったのだろうなと想像しながら眺めました。次はまだ紅葉残る糺の森を目指してまずは河合神社へ。

旧三井家下鴨別邸

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障子の窓から見える景色も絵画

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河合神社へ

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河合神社の境内に入り、門前すぐ右横の銀杏が黄色い葉を散らした後で色鮮やかな風景が広がります。この神社の禰宜の息子・鴨長明が幼少のころ過ごした住処を再現した方丈の屋根にも銀杏の葉が落ちて秋の彩りで覆われていました。河合神社と言えば、下鴨神社の摂社で御祭神は桓武天皇の母、玉依姫命が祀られています。玉依姫命は美しいことから美麗の神として女性からの信仰も厚く、手鏡を形取った絵馬で美貌を祈願する神社としても有名です。絵馬を書く部屋が“鏡絵馬、御化粧室”と書かれてあるのが乙女らしくもあり微笑んでしまいました。

河合神社

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河合神社の銀杏の木

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鴨長明の方丈前で

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鏡絵馬に願いを書く御化粧室

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河合神社へ出ていよいよ自然の森散策。下鴨神社へと続く”糺の森”の「ただす」の由来は、賀茂川と高野川の合流である「只州」の意味や、この場所で物事の真偽をただしていたとされるなど諸説あります。この近くに現代の真偽をただす京都家庭裁判所があり、日本の裁判所の中でも最も裁判所にふさわしい土地柄である事は間違いないですね。そんな糺の森の紅葉は京都の北にありながらなぜ色づく時期が遅いのか。それは、背の高い樹木が生い茂っているため、下にある紅葉は覆う樹木が落葉してから日光を浴びて紅くなるからだそうです。下鴨神社・糺の森は原生林で紅葉散策は自然の森にどんどん入っていく感じで観賞します。森の先は下鴨神社です。
糺の森

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森の途中に大きな木と寄りそう紅い紅葉

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紅い紅葉の前でワンショット

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本日は、下鴨神社のフリーマーケットもあって森の道に沿って店の青や赤、黄色の屋根のテントが原生林と紅葉に相まってとても良い眺めでした。

下鴨神社のフリーマーケット

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下鴨神社前で一行はお開きとなり、下鴨神社で参拝するもよしフリーマーケットを見るもよし、帰りは好きな散策で解散です。今回は名残の紅葉・下鴨エリアのさんぽで、講師・森のガイドとともに歩きました。自然はやはり心をのんびりとさせてくれる力があると感じました。またいにしえの下鴨神社のパワーも頂いたように思います。次回は雪景色となるのでしょうか?京都の移ろう四季を、らくたびスタッフとともに楽しく散策いたしましょう!

印象に残った2ショット
12月4日 京都さんぽ 暮秋を彩る下鴨神社の名残の紅葉レポート


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Posted by らくたびスタッフ    at 18:20 │谷口らくたびガイドと歩く散策らくたびレポーター