千両?万両?それとも、、、十両?

らくたびスタッフ  

2008年12月03日 18:23

先日のらくたび京都さんぽで、らくたび仲間さんが
秋から冬にかけてお寺のお庭でよく見かける赤い実のなる木を見つけ
「これって千両ですか?万両ですか?」と私に聞かれました。

「う~ん、、、どっちやろ?去年も同じことで悩んでたけど、、、、」

そう、わからないまま春を迎え、すっかり忘れておりました。

2人で「千両かなぁ」と納得しかけていたところ、
山村先生が「十両っていうのもあるみたいですよ」と教えて下さったもんだから
「えっ?ってことは、百両もあるんじゃない?」「じゃあ、一両は??」とますます話が
ややこしくなることに・・・(-.-)

結局この日は解決せずに終わってしまったのですが、あんまり気になったので
ちょっと調べてみたところ・・・

ありました、ありました!一両、十両、百両、千両、万両と全部揃っていました。

では、ご紹介しましょう~(^O^)/

《 千両 》
この赤い実が千両です。よく見かけますね。

葉っぱの上に実がなるのが特徴です。
真紅の実を大金にたとえ千両箱に掛けて商売繁盛を願ったり、千両役者に通じて
芸の上達を願ったそうです。実の色も赤だけでなく黄色もあります。
私達が蓮華寺で見たのは確かに黄色でした。

《 万両 》
そしてこれが万両。

葉っぱの下に実が垂れ下がるようにつきます。実の数も千両よりずっと多い!
さすが万両!千両よりも更なる繁栄を願ったのでしょうかね・・・?
こちらも色は赤、白、黄、橙とあるみたい。

この2つが“千両、万両”で縁起のいい植物としてお正月などに珍重されています。
でも、じつはこの2つの木、千両は“センリョウ科”、万両は“ヤブコウジ科”とまったく
違う種の植物だそうです。


そして、、、
《 十両 》
これが十両。正式名称はヤブコウジといいます。

葉っぱの形がちょっと丸っこい。この写真にはまだ実がなっていませんが、
万両と同様に葉っぱの下に実が1~2個つくそうです。

残念ながら、写真が入手できなかったのですが(ごめんなさい)、
《 百両 》
正式名称はカラタチバナ。葉っぱが細長く、実は下につきます。
草丈30~40センチほど。

ここまでは実が多くつく順番に、万両、千両、百両、十両となっています。

そして最後に、
《 一両 》
正式名称はアリドオシ。アリドオシという言葉が「有りとおし」になることから
「千両、万両、有りとおし(お金なら千両も万両も1年中あるよ)」の語呂合わせで
選ばれたそうです。草丈は1メートル近くあるそうです。

こんな感じです。
ややこしいと言えばややこしいですが、自然を愛した昔の人々が赤い実のなる植物に
遊び心で名前をつけて縁起を担ぎ、更なる繁栄を願ってこられてきたことが
わかりました。なんだか親しみも湧いてきたなぁ。

さぁ、これからの季節はたくさん見られるはずです。
らくたび京都さんぽで千両、万両、、、もちろん十両も一緒に探してみましょう!

執筆:らくたびレポーター 森
写真提供:らくたびレポーター 鴨田

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