方広寺の大仏 ~京の冬の旅 特別公開中~

らくたびスタッフ  

2021年03月11日 15:35


らくたび出版スタッフの戸塚です。
今日3月11日は東日本大震災から10年、各地で祈りがささげられています。

さて、京都の地震というと、よく引き合いに出されるのが1596(慶長元)年の伏見大地震です。このとき、わが世の春を謳歌していた秀吉が完成させた方広寺の大仏も大破。こともあろうに、秀吉は大仏に対し、「己の身も守れないのか」と激怒した逸話が残っています。

そもそも、この大仏は高さが約19メートルもあるにもかかわらず、木製仏に漆喰を塗って仕上げられたという短納期対応バージョン。大地震に耐えられるものではありませんでした。

ところが、南北90メートル東西55メートルという現在の東大寺の規模をしのぐ大仏殿は、倒壊せず姿を保つことができました。築造にあたっては、徳川家康が富士山の材木を、島津義弘は屋久杉の提供を命じられたといわれます。


その後も大仏と大仏殿は再建と焼失を繰り返し、今も方広寺の本堂には、かつての10分の1サイズで江戸期に造られた盧舎那仏が本尊として祀られています。


そして、境内には、豊臣氏滅亡のきっかけとなった巨大な梵鐘も残ります。「国家安康、君臣豊楽」の文字が家康の怒りをかい、大坂冬の陣へと発展したのは歴史に名高いところ。


駐車場横の細い小道を通り抜けると、大仏殿跡地に出ます。緑地として整備され、看板類もあるので当時の様子がイメージできますよ!


方広寺から国立京都博物館にかけての石垣は、秀吉時代の方広寺の巨大さを実感できる唯一の遺構です。


最後の大仏が焼失したのは、1973(昭和48)年。まだまだ、人々の記憶に新しいようです。

方広寺は、4月11日(日)まで「京の冬の旅」キャンペーンとして、本尊の盧舎那仏、左甚五郎の龍の彫刻、吉川霊華の「神龍図」などを特別公開されています。

拝観は予約優先なので、下記ホームページからどうぞ。
https://select-type.com/rsv/?id=0KHmNVvvr10&c_id=120961&w_flg=1

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