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Posted by 京つう運営事務局  at 

2017年02月13日

2月3日(金)京都さんぽ“平安神宮「節分祭・鬼の舞」見学と専門店で味わう絶品天ぷらランチ”行ってきました!

2月3日(金)京都さんぽ“平安神宮「節分祭・鬼の舞」見学と専門店で味わう絶品天ぷらランチ”行ってきました!

古くから四季の節目の節分(立春、立夏、立秋、立冬)では鬼が出ると言い伝えられています。特に立春前日の二月三日の節分は、豆をまいて鬼を追いやる追儺式を大々的に行うため、一年に四回ある節分の中でも重きに置かれています。二月三日の京都の神社仏閣は、オリジナリティーあふれた鬼さんを登場させ豆まきで退治したり、節分祭にしか授かれない護符を与えるなどこの日ばかりは様々な悪鬼の演出で邪気退散に躍起になるのです。
らくたびの京都さんぽでも邪気退散で良き立春を皆さんに迎えてもらおうと、らくたび講師の森明子がご案内する“平安神宮「節分祭・鬼の舞」見学と専門店で味わう絶品天ぷらランチ”の散策を行いました。私も添乗させていただきましたので、そのレポートをご報告いたします。
京阪の祇園四条駅観光案内所から一行は八坂神社を目指し出発いたしました。

京阪祇園四条駅にて集合


【八坂神社】
 八坂神社の祭神は素戔嗚尊、櫛稲田姫命、八柱御子神で厄除けの神様として崇敬されています。八坂神社の二月三日の節分祭には舞殿で時間ごとにいろんな行事がとり行われます。私たちがお参りした時間帯は平安末期に行われていた歌舞の白拍子の奉納がありました。白拍子というと平清盛の愛妾となった祇王や仏御前、源義経の愛妾の静御前を思い浮かべます。白拍子は今様を歌いながら舞いを舞ったのだそうです。
八坂神社では舞殿の奉納行事の他に豆まきや、くじ引きがありました。舞殿から行事ごとに福豆がまかれ、舞いを奉納した白拍子が一斉に福豆がまかれると、観客の福豆争奪戦の始まりです。くじ引きは福豆を購入して運を授かります。講師の森さんはくじ引きで缶コーヒーを授かられたようです(笑)。

八坂神社節分白拍子の豆まき


白拍子


八坂神社の引き


【大神宮社】
 賑わう舞殿から視線を横に向けると八坂神社境内東側に真新しい木材の鳥居が目につきます。それは第62回伊勢神社式年遷宮による神宮殿舎撤去材を譲り受けて建てられた大神宮社(内宮・外宮)です。祇園に祀るお伊勢さんとして建てられました。撤去材と思えないくらい綺麗なお社です。内宮は素戔嗚尊の姉神である天照大御神と、外宮は衣食住と産業の守護神の豊受大御神が祭神で伊勢神宮と同じ神様がお祀りされています。伊勢に行けなくてもこの八坂神社の大神宮社に来ればお伊勢参りができるというわけですね。ありがたや…ありがたや…。
大神宮社



【白川・行者橋・古川町商店街】
 八坂神社の大神宮社を参拝し、円山公園を通って知恩院の国宝・三門を横目に、浄土宗の学校が集まる華頂道へ。華頂道を西へ歩いて白川と合流する門前へ出ると有名な“行者橋”が白川に架かっています。

知恩院前



 白川の水は比叡山のふもとで湧きます。水路は銀閣寺周辺から南禅寺の琵琶湖疏水と合流し、平安神宮の琵琶湖疏水で分かれて知恩院の西側に流れつき、鴨川に合流する淀川水系の川です。白川の名前は、比叡山の麓から花崗岩の白砂が採掘され、水と一緒に白砂が流れ着くことから由来します。比叡山から運ばれてきた白砂で川底一面が白かったので「白川」と呼ばれたのだそうです。白砂は良質で明治まで採掘されていました。今は採掘されない貴重な砂であるため、白砂を使った庭園を所有されている神社仏閣は自慢の一つとなっているのだそうです
 知恩院門前の白川にかかる一本橋は通称・行者橋とも呼ばれます。幅80センチの細い石橋で、比叡山の阿闍梨修行・千日回峰行の満行の際に渡る橋として有名です。最近はある人気の映画の1シーンで使われたからか、若い女性が訪れ映画のシーンと同じように橋を渡る風景が見られます。らくたびの一行も楽しく渡りました!
行者橋を渡るらくたび一行
 


行者橋を渡ってすぐに昭和な佇まいを残す古川町商店街があります。全長300メートルあるかないかの短い商店街ですが、ここもまた有名女優さんが繰り広げた検事ドラマの舞台にもなった商店街です。まるで白川・行者橋・古川町商店街はスクリーンのセットのようです。
古川町商店街



【満足稲荷神社】
 古川町商店街を北へ上がると三条通に出ます。三条通を少し北へ上がり、西へ行くと満足稲荷神社へ着きました。満足稲荷神社も節分祭を行っていて行き交う参拝者と飴湯のお接待で賑わっていました。

満足稲荷神社前



満足稲荷は、豊臣秀吉が戦勝を稲荷大神に祈願したところ効果があったので、伏見城を建てるときに城の守護神として伏見稲荷の祭神を祀ったのが始まりです。秀吉が出世し、城も無事に建ち十分なご加護があったとして満足されたことから“満足稲荷”と呼ばれたのだそうです。江戸時代になって一国一城制度ができたため伏見城は取りつぶしされ、城を無くした満足稲荷は現在の地に移されました。

本殿お参り



 境内の中には多くのご利益があり、その中の一つに“岩神さん”があります。名前の通り大きな岩が神様で、岩を撫でた後に自分の痛いところや悪いところをさすると治るとされています。このほかに樹齢四百年のご神木“もちの木”などがあります。磐や大木と自然に満ちた神様が鎮座するお社でした。皆さんお参りのあとはお接待の飴湯でほっこりとされていました。飴湯のもらい福ですね。

岩神さんを摩ってお願いする



【六勝寺】
 満足稲荷を後にして古川町通りを北へ歩くと仁王門通りあたりから琵琶湖疏水が見えます。この辺りは春になると琵琶湖疏水に沿って桜が咲く名勝です。ここは岡崎と呼ばれ京都の文化エリアです。岡崎エリアには平安時代後期から室町時代にかけて、白河天皇など帝の願いを受けた院政中枢を担う六つのお寺がありました。

琵琶湖疏水沿いに咲く桜並木
 


六つのお寺の名前には「勝」の文字があったので総称して“六勝寺”と呼ばれています。お寺の名前は法勝寺、尊勝寺、最勝寺、円勝寺、成勝寺、延勝寺です。今は石碑を残すばかりですが町名に寺の名前が残っています。跡地には美術館や市民ホール、学校などが建っています。今回のお食事処の“天ぷら圓堂”さんも尊勝寺があった場所に位置します。

最勝寺があったロームシアター京都



【天ぷら圓堂】
 平安神宮の追儺式(午後二時半)に合わせて京都のさんぽのコースが組まれたため、天ぷら圓堂さんでのランチは少し遅めの食事となりました。圓堂さんは目の前で食材を揚げて頂ける天ぷら料理で有名なお店です。カウンター席のみならず、26名という団体でも天ぷらを揚げている板前さんの姿を見ながらお料理が頂ける昼食はとても楽しく予想外でした。三人の板前さんが新鮮な季節の食材を次から次へと揚げて、中居さんが天ぷらを一つ一つ給仕し食材の説明までしていただけます。11食材13品の天ぷらとご飯、デザートのコースでランチタイムを楽しみました。

岡崎天ぷら圓堂



カウンター前で揚げる天ぷら



【ランチのコース】
1品目:圓堂名物“とうもろこし”/2品目:海老のすり身を塗った“えびパン”/3品目:“海老”3匹/4品目:豆をペースト状にして鞘に入れ揚げた“えんどう豆のコロッケ”/5品目:椎茸の中に海老のすり身を入れた“しいたけ”/6品目:“鱒の紫蘇巻”/7品目:“たけのこ”/8品目:“本もろこ”/9品目:“むかご”/10品目:早摘みの金時人参“京かんざし”※髪飾りのかんざしに似ている事からついた京野菜/11品目:“穴子”/ご飯物:かき揚げご飯、赤だし、漬物/デザート:グレープルビーフルーツのシャーベット
圓堂名物とうもろこし



もろこの天ぷら



かき揚げのご飯


【須賀神社】
 ランチのあとは平安神宮の追儺式の前に須賀神社の節分祭に行きました。須賀神社は素戔嗚尊を祀り、厄除け交通安全を祈願する神社として信仰があつい神社です。
須賀神社前
 


この神社は二月の二日と三日だけ“懸想文売り(けそうぶみうり)”という人物が登場し、良縁を結ぶお守りを授けます。懸想文売りは、公家が烏帽子をかぶり水干(すいかん/昔の衣装)を身にまとい、白い布で顔を覆い目元だけ出した怪しいお姿で、文をつけた梅の枝を持って立っています。懸想文売りは公家で、お小遣い稼ぎに字が書けない人のために代筆して恋文を売っていたのですが、公家の身元がばれないように顔を布で覆っていたのだそうです。懸想文売りは須賀神社のシンボルかキャラクター的存在になっています。

節分祭のシンボル須賀神社の懸想文売り
 

懸想文は縁談、商売繁盛などの人々の欲望を叶える符札です。懸想文を人知れず鏡台や箪笥の引き出しに入れると顔や形が美しくなり、着物が増え良縁に恵まれるということで古くから買い求められたのだそうです。今も良縁を求めて来られます。
 【平安神宮】
 本日最後の節分祭・平安神宮に着きました。天皇が東京へ行幸されて京都は活気のない街になりましたが、京都を元気づけるために明治27年に岡崎で博覧会を開催しました。現在ある平安神宮はその博覧会で作られた社殿などの建物(パビリオン)を残して桓武天皇と孝明天皇を祭神とする神社として創建されました。大内裏の約八分の五に縮小して模してある平安神宮は京都市府民のテーマパークでもあるのです。
平安神宮の節分祭
 

節分祭の追儺式は、方相氏(正義の味方)が鬼を退治する演出で繰り広げられます。「鬼は外、福は内」という掛け声の中、鬼が社殿から応天門にかけて苦しまみれに逃げていく様は劇を見ているようでとても楽しかったです。狂言・茂山社中が扮する鬼は圧巻で見応えがありました。来年も平安神宮の節分祭を見たいと思います。

平安神宮の鬼たち1



平安神宮の鬼たち2
 


今年の節分祭は京都さんぽの添乗もあって数カ所巡ることができました。京都の神社仏閣が、冬の終わりを告げ春の始まりを告げる節分に一同祭祀していると思うと、すべての節分祭にお参りしたいと欲張りになります。数年かけて節分祭をめぐるのも楽しいなと思い始めた本日の京都さんぽでした。

お守りと福豆




らくたび 谷口
  

Posted by らくたびスタッフ    at 17:24らくたびガイドと歩く散策谷口