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2008年10月24日

夜空を焦がす炎の競演

 10月22日(水)に鞍馬の火祭を見に行ってきました。1000年以上前に都の北方鎮護の為に由岐大明神が勧請された由緒にもとづき、まず最初に由岐神社へ参拝をしました。由岐神社はいつもと変わらず「割拝殿」と樹齢約800年の大きな杉の木を前に、どっしりと構えていらっしゃいました。これから始まるお祭りを見守るかの様に・・。
夜空を焦がす炎の競演


 そして、氏子の方々の住む町内を散策すると、会所の軒先には大きな松明が準備されていました。時折、子供が持つサイズの松明もあり(それでももかなりの大きさがある)、成長と共に担ぐ松明が大きくなっていくんだなあ・・と感動しながら歩いてました。
夜空を焦がす炎の競演


 そして午後六時、「神事にまいらっしゃーれー!」という神事触れ(じんじぶれ)が告げて回られ、鞍馬の火祭は始まりました。各町で篝火が起こされ、そこから火をもらった大中小の松明を担いだ町衆が「サイレヤ、サイリョウ」と声を出しながら町中を練り歩きます。男衆が担ぐ大きい松明は長さ5メートル、重量100キロを超えるとの事で、それはそれは勇壮な姿でした。
夜空を焦がす炎の競演


 そして行列の中に、剣鉾が出ているのを見つけてビックリしました!3本の太い支柱で支えられ、天に突き出た先端部分は前後に揺れ、鈴を鳴らしながら行進していました。ここに、祇園祭山鉾の原型とも言われる粟田神社の剣鉾との共通する「太古の昔からの神事の特徴」を見る事が出来ました。
夜空を焦がす炎の競演


 そして行列には赤ちゃんを抱いたお母さん、担がずに持てる大きさの松明を持つ女性も大勢いて、「町衆総出のお祭り」であることがひしひしと伝わってきました。
 そして、大小の松明を持った町衆が山門前に勢揃いしたとき、まさに一面火の海状態になっていました。もうこの時点で、炎・けむり・人の多さで山門前で何が起こっているかはよく見えなくなってしまいました。(写真の通りです)。
夜空を焦がす炎の競演


夜空を焦がす炎の競演


そしてその中から男衆が仁王門前の石段に登り大松明を掲げた時、火祭りは最初のピークを迎えるのでした。
夜空を焦がす炎の競演


約1時間、夜空を焦がす炎の競演に酔いしれた後、残念ではありましたが帰路につく事にしました。
お神輿が完全に出て行くまでおそらく脱出不可能と思われる山門斜面横で「チョッペンの儀」という伝統技を先頭にした黄金色のお神輿をしっかりと見たかったし、御旅所での神楽松明によるフィナーレ(深夜0時頃との事)も見たかったけど、いつかまた泊まりがけで見学に来たいと思います。滞在時間約5時間半、大満足の鞍馬の火祭でした。
なお、この火祭りは神幸祭であり、翌日23日の午前に、2基の御神輿は由岐神社の本殿におかえりになる(還幸祭)との事です。
らくたびレポーター 松山


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Posted by らくたびスタッフ    at 18:34 │らくたびレポーター

この記事へのコメント
松山様
こんにちは。
迫力あるレポートすごいですね。
ワタシ、一度も行ったことがありません。
来年はぜひ行ってみたいと思います。
ただ、最後まで見学しようと思うと泊まりになってしまいますね・・・
Posted by もりた at 2008年10月27日 12:35
松山様
「剣鉾」ネタでお伺いいたしました。
私も行きたかったですが、曜日に関係なく22日の深夜なので、
今年も泣く泣く不参加でした。

由岐神社の剣鉾は独特で、長柄が一本の小振りのものと、
長柄が三本の大振りのものとがあります。
それは、ここ由岐神社独自の発展を遂げています。
この形状になった経緯がわかれば、
また剣鉾の謎を一葉開くことが出来るのですが・・・。

学生時代は神輿が御旅所に入る午前二時頃までよく居ました。
というのも、その頃までいると、御旅所でお神酒がみんなに振舞われ、
ただ酒が呑めたということなのです。
大きな焚き火に当たりながら、祭の余韻に浸って、
夜が更けてゆくのを、楽しんだのを思い出します。
それから友達みんなで、鞍馬街道を歩いて帰るのです。
いやいや楽しかったです。

今年は特に雨だったので、大変だったのではないですか。
2010年は22日が金曜なので、ねらい目です。
おそらく23日(土)の午前3時から「石座(いわくら)の火祭り」が行われるでしょうから、
火祭りのハシゴができますよ。

仕事も時間もすべて忘れて、お祭に没頭できるのが夢の今日この頃です。
お邪魔しました。
Posted by どぜうの寝床どぜうの寝床 at 2008年10月27日 14:07
もりた様
コメントありがとうございます。このお祭りを近くで見ていると、血沸き肉踊る感じがしてきます。ぜひ近いうちに行ってみてください。人生感が変わるかも・・・。
Posted by 松山 at 2008年10月29日 22:23
どぜうの寝床様
コメントありがとうございます!鞍馬の火祭りで剣鉾を発見した時には、本当にびっくりしました。それについて記載されたガイドブックを見た事がなかったので・・。独自に発展した「3本の長柄で支えられた剣鉾」・・・。実に興味深いです。レポートには書いてませんでしたが、剣鉾には「錦の御旗」が掲げられており、お祭りの格を感じさせるものがありました。上方を中心に歴史あるお祭りに剣鉾が登場していないか、今後楽しみにしていきたいと思います。
「石座(いわくら)の火祭り」情報ありがとうございます。来年もりたさんと一緒?に朝まで火祭り見学三昧してみたいです。
Posted by 松山 at 2008年10月29日 22:40