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2016年09月21日

《京阪ツーリストインフォメーションセンター祗園四条からのご案内》4-3

叡山電車出町柳から出発する比叡山延暦寺散策コースレポート4-3
≪比叡山延暦寺・東塔について≫

今回は叡山電車の“比叡山延暦寺入山きっぷ”で比叡山延暦寺の東塔・大講堂と根本中堂を訪ねました。ご縁あって比叡山延暦寺の参拝部事務長の小林福一講師にご案内(比叡山延暦寺入山きっぷに講師の案内はついていません)していただく事になり、私たちに雨を気づかってくださってこんな言葉を教えてくださいました。「雨の日しか見られぬ景色、煙雨の樹林」という言葉です。比叡山は「洗心」心を洗う場所・寺である。雨が降り琵琶湖に水がたまる。山頂に霧がかかると煙雨の樹林が見られる。最高ではないですかと問いかけて頂きとても嬉しくなりました。

山頂848メートル、東塔、西塔、横川すべてが延暦寺境内で、広さは500万坪、甲子園約500個分にあたります。

傘に書かれてある「雨の日しか見られぬ景色、煙雨の樹林」

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ようこそ比叡山延暦寺へ

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比叡山延暦寺は延暦4年、785年に伝教大師最澄が比叡山で修行して薬師堂を建立したのが始まりで、最澄が仏法で都を守るために作られました。各宗派の本山や京都に宗門御開山された僧が一度は修行をされた比叡山は今で言うと僧の総合大学的存在でした。宗門は鎌倉時代に比叡山から育ったといっても過言ではなく比叡山は国造りの山でもありました。

比叡山延暦寺の入り口から大講堂に入るまでの道の両脇に開宗した歴代の僧のエピソードなどが絵とともに紹介されています。その中の「親鸞のそば食い木像」の絵をご紹介すると…。

開宗の祖のお話が絵で紹介されている道

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★「親鸞のそば食い木像」のお話★
親鸞が比叡山で修業をしている頃、毎夜山を下って京の都にある六角堂へお参りをしていた。比叡山での修行の間は決して下山してはいけないという決まりがあるが、その決まりを破ってでも六角堂へ通う強い思いがあって京の都に下っていた。内緒で下山する親鸞を見ていた他の弟子たちは「きっと都に好きな女がいるにちがいない」と噂をしていた。その噂を知った師の滋鎮和尚は噂を見極めようと突然深夜に弟子たちを集め蕎麦を振る舞うことにし、一人ひとりの名前を呼び上げて親鸞の不在を確認しようと親鸞の名前を呼べば「はい」と返事があったので和尚は疑いを払い、皆で蕎麦を食べた。親鸞は京へ下りて返事も蕎麦も食べられないはずであるが、親鸞の身代わりの木像(阿弥陀様)が親鸞に代わって返事と蕎麦を食べた。それは朝になり、木造の阿弥陀様の口元に蕎麦が付いていたことから判明したというお話である。

大講堂までの道筋で一つ一つ絵を見ながら歩けばどれだけの僧が修行されたかが大講堂につくまでわかります。東塔の大講堂のご本尊は大日如来で右脇は十一面観音菩薩、左脇は弥勒菩薩の三尊がお祀りされ、奥には伝教大師最澄、聖徳太子、天台大師智顗、桓武天皇など堂内には比叡山で御宗派開山された尊像が安置されています。そのほか親鸞聖人、法然上人、慈覚、空也上人、一遍上人、日蓮上人など、修業された方の絵があります。

東塔 大講堂

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伝教大師最澄は人づくり、国造りの僧。「一隅を照らす」“一隅を照らす。これすなわち国宝なり”という教えを伝えたくさんの人を育成しました。一隅とは今自分がいるポジション場所であり自分自身が置かれたその場所で、失敗しても自分の持てる能力を発揮して一隅を照らす人になろうという意味です。また「忘己利他/もうこりた」“己を忘れて他を利する”の教えも残しました。自分のことはひとまずおいて、まず人のために働くことこそ本当の慈悲であるとし、自分のことばかりでなく、人の目線で物事を考えるなどの教えを比叡山から発信しました。今も伝教大師最澄の教えを伝え続けています。

大講堂から根本中堂にいく参道に杉の木と山桜の木が並び茂っています。よく見ると山桜は杉を支え棒にして参道に枝を伸ばしています。講師の小林さんは自然からこのように支え合う共存を教えてもらうことができると説明くださいました。

大講堂から根本中堂への参道にて

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自然から学ぶ・支え合う杉の木と山桜

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延暦寺の総本堂根本中堂は1200年の歴史がありますが、1571年の9月12日に織田信長の焼打ちに合い全山が焼け、後に徳川家光がこの御堂を再興しました。本尊は薬師如来。本尊の薬師如来像は人間と同じ高さにあり人間も仏になれることを意味しています。ご本尊の前に1200年も灯り続けている“不滅の法灯”が安置され、不滅の法灯は過去、現在、未来を示し、毎日なたね油を注ぎ足して1200年灯り続けています。「油断大敵」の語源はここからきています。不滅の法灯は戒めであり、「法灯」の教えです。次世代へ伝教大師最澄の教えを続けていく。継続は力、自分の財産であると唱えています。

根本中堂

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秋から大改修に入る根本中堂

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根本中堂は今年の秋から大改修に入るようです。大改修前にこのように見学ができたのは何かご縁があったのだと嬉しく思いました。ご案内をいただきました小林様ありがとうございました。
詳しいことは下記のホームページまで
↓ ↓ ↓
http://www.hieizan.or.jp/

らくたび 谷口


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Posted by らくたびスタッフ    at 21:32 │京阪・祇園四条駅観光案内所谷口